アイドリッシュセブンは人生

アイドリッシュセブンが好きです。

マロウブルーと君

いつの間にか夜明けは始まっていた

マロウブルーの美しいグラデーション

こんなに美しい歌い出しがあっていいのか。

 

IDOLiSH7の新曲「マロウブルー」がリリースされました。

め~っちゃ前向きで未来を感じさせる歌なのに、どうしてこう胸が切なくなるのか。どうしてこうも涙腺に来るのか。

5部の「当り前じゃない日々を、駆けていく。」という天才キャッチコピーとの親和性が高すぎる。

 

この曲がIDOLiSH7の未来を指し示してるのか、メンバー同士の関係性を表しているのか、5部の内容を暗示しているのかなどなどたくさんの解釈があると思うけど、私は「アイドルとファンの歌かも」と思ったので、文章に残しておきたいなと思います。

※以下、ぜんぶ個人の解釈と妄想です!

※引用歌詞は曲どおりの順番ではありません


 

 

まず「マロウブルー」というのは、ブルーマロウ(ウスベニアオイ)というお花から作られるハーブティで、温度変化によって青色から紫色に変化し、さらにレモンなどを浮かべるとピンク色になるそう。

MEZZO”カラーになるお茶!という印象しか持ってなかったんですけど、色の変化が夜明けの空の色に似ているということで「夜明けのハーブティ」とも呼ばれてるそうなんだけど、最初にその呼び方した人のセンスが美しすぎない?

 

紛らわしいので、下記以降は「マロウブルー」という曲自体のことを指すときは(曲)とつけるようにするので、何もついてない「マロウブルー」はハーブティーのことだと思ってください。

 

私は「マロウブルー(曲)」を聞いて、

マロウブルー→アイドル

君→ファン

のことなのかなと思いました。

 

この曲のテーマは「変化」だと思うんだけど、マロウブルーが変化するハーブティーであることから、「変わっていくアイドル」=「変わらずアイドルでいるために変化を恐れずに常に前進していくアイドル」なのかなと思った。

 

でも、多分変わるのってアイドルだけじゃないんだよね。

 

推してるジャンルがいっぱいあればあるほど、ジャンルの中に優先順位ってあるし、私自身もアイドリッシュセブンが一番好きだけど、四六時中アイドリッシュセブンのことを考えているかといえばそうではない。

アイドリッシュセブンのことが大好きで、この先も一生応援していきたいと思っているけど、それは今、ゲームを楽しめるだけの精神的余裕と経済的な余裕(オタク的に言うとないですが)があって、展開に満足しているからだと思う。

熱量が維持できなくなったり、他ジャンルの方が好きになっちゃったり、展開にもやもやしちゃったり、単純に体調崩したり家のことが大変でそれどころじゃなくなったり、些細なきっかけで「〇〇のオタク」としての自分が死ぬ瞬間ってあると思っている。

 

じゃあそのとき、残されたアイドルってどうなるんだろう。

 

「次のライブも来るね!」「一生ついていくね!」って言ってくれたファンが今も応援しているかどうかなんて彼らには確かめる術はないし、ファンだってアイドルに対して誠実でいようって思ってるかなんてわからない。

そう思うと、アイドルは、会いに来てもらうしかないし、待つことしかできないんだよね。

オタクをやっていて、推しの引退とか卒業とかスキャンダルとか活動休止とかネガティブなお別れに怯えるばっかりで、いざ自分の身にそれが降り注ぐと勝手だとか不誠実だとか思いたくなるけど、アイドルも何万何億の出会いと別れを繰り返してあのキラキラしたステージに立ってるんだな。

そうして

願わせてね また会えること

新しい僕らへ 変わってく

という歌詞を反芻すると、アイドルは「君」にまたここに来てほしいと願うことしかできないんだなと改めて突きつけられる感じがするし、一生懸命やってても離れていく人はいるんだよね。

 

サヨナラと出会いのマリアージュ

そっと香りたつ切なさ

サヨナラと出会いのマリアージュってアイドルそのものじゃん。

人って誰もが出会いがあれば別れもあるけど、アイドルの場合は出会いも別れもわからないうちに始まって終わってるだろうし、それでもファンを信じてステージに立ってくれたり、大きな決断をして発表をしてくれることってすごいことだなとおもう。

 

そう考えると

こころのなかを見透かす音色

この歌詞はライブ中(「セレナーデ」の意味は小夜曲=恋人のために窓下で演奏する音楽、情景ということなので、アイドルがファンのために歌ってくれる場=ライブかな)に本当に自分のことを好きでいてくれてる?と言われているようでドキッとするし、

So I just みつめていたよ
ひとりじめしたくてさ

この歌詞は自分のことだけを見ていてほしい、ここにいてほしいって意味にも思える。

 

君だけには ほんとのことを言いたいのに
渡せなかった花束だけが

アイドルを見てて、言いたいけど言えないんだろうなと思うこといっぱいあって。アイドルとしてのプロモーションや自分の出自、プライベートのエピソードとか、水面下で何かきな臭いことが起きた時の弁明とか。

誤解されたまま応援されたり、されなくなったり、喜んでほしくて用意したものが喜んでもらえなかったり、ほんとうはこうなんだよって言いたくて、わかってほしくて、苦しく思う瞬間もいっぱいあると思う。

本当はそんな意味で言ったわけじゃないのに、ファンの解釈で美談になったり、逆に蔑ろにされたり、そういうこともあると思う。

 

それでもそんな姿おくびにも出さずに笑ってステージに立つアイドルはすごい。

 

 

お気に入りと君はにこり微笑んでは
ワイルドベリーの模様をなぞっていた

ここに出てくる”お気に入り”はマロウブルーのことだと解釈。

マロウブルーをワイルドベリーの模様の付いたティーカップに入れて飲んでいるということだと思います。

 

「ワイルドベリー(ワイルドストロベリー)」の花言葉「尊重と愛情」「幸福な家庭」「無邪気」だったんだけど、

何度も この場所で 無邪気な夢をおもいだして

じゃん!!!になった。

「尊重と愛情」「幸福な家庭」も7人で寮生活をするIDOLiSH7にリンクしてくる。すごい…。

ワイルドベリーだけだと、ワイルドブルーベリーもあるっぽかったけど、おそらくウェ〇ジウッドのティーカップを想定してるんじゃないかなという気がしたので、ストロベリーのほうを参考にしました(ググるとこのティーカップだとしか考えられなくなる)。あとワイルドストロベリーは赤い実がつくと「願いが叶う」といわれてるみたいです(鷹匡と一織はステイ)。

 

”この場所”ってマロウブルーを飲んだ場所ということかなと思うけど、ライブ会場とかアイドルと出会える場所で夢みたいな時間を過ごしたことを忘れないでいてということ。何度も思い出すくらいずっと好きでいてほしいってことかな。

All I want さがしていたよ
永遠が欲しくてさ

アイドルに永遠がほしくてさがしてるとか歌わせるな!永遠について考えだすとこのブログの分量がさらにとんでもないことになるので割愛します。歌詞割り…。

今でも この場所で
無邪気な夢を見ていたくて

そして2番のサビ前の対になる歌詞が、ちゃんとアイドル自身も夢を見ていたいんだって分かる構図なのすっごく良い。ファンに夢を与える立場のアイドルだって夢を見ていたいんだ…。涙

 

 

そして、この「マロウブルー」は、IDOLiSH7の全員が出演するドラマ「オーベルジュ La Plage(直訳は浜辺のレストラン)」の主題歌ということもあって、ワイルドベリー然り食べ物(主にお菓子)の名前がちりばめられてる。

なつかしいくらい甘過ぎるコンフィチュール

黄昏に似たほろ苦いオレンジピール

「コンフィチュール」は、果物を砂糖と一緒に煮詰めて作ったもので、「オレンジピール」は、オレンジの皮を砂糖漬けしたもの。

砂糖漬けにするのって、保存期間を延ばすためだと思うんだけど、これも”永遠が欲しくてさ”につながってきそうで怖いから考えるのをやめます…。

蛇足だけど、オレンジピールって出てくるから黄昏はオレンジなんだろうけど、調べていたら黄昏の中にも紫色の空があって、マロウブルーが変化した紫色もこれ近い色かもと思いました。

 

やさしいかぜ いたずらな一瞬でさえ
そっとさしこむ陽射しに愛されて

ちなみにここは仕事でも人間関係でも、運が味方したみたいな意味に解釈しました。言葉選びがうまい〜…

 

 

アイドルの変化、成長として喜んで受け入れたい気持ちもあるし、ずっとこのままでいてほしいという気持ちもある。変わることを選んでほしくないし、楽しいとわかっている素晴らしいものは手放してほしくない。

夕暮れの公園で5時のチャイムが鳴ってもまだおうちに帰りたくない駄々っ子みたいに、ライブ会場で「次の曲が最後です!」と言われたときに「ええ~!」と声を上げてしまうみたいに、大切な楽しい時間は終わってほしくない。


今までのIDOLiSH7は歩けなくて立ち止まってたら手を差し伸べて隣を歩いてくれるような、そんな安心感とみんなで一緒に背中を押してくれるようなパワフルさ溢れる楽曲が多かったと思う。

ここ数年はすっかり成熟した雰囲気漂わせてきてて本編軸ではまだ2年とかしか経ってないんじゃないですっけ!?になる。

あぁ 世界は音もなく
色を変えていく 今日もあしたもきっと
あぁ 僕らは未来へ行かなくちゃ
弱気にはもうサヨナラ
ふりむかない

この一番グサグサ来る歌詞(大好き)を見てても、「未来に進むためにいつまでも同じ場所にはいられない」「置いていくものがあるとしても変わらなきゃ」って言ってるように思える。

"未来へ行かなくちゃ"、"ふりむかない"っていう歌詞、言葉の意味はわかるけど「置いてかないで…」ってさみしい気持ちになる。「一緒に行こうよ」「つれていく」って言ってよ!永遠になろうよ(鷹匡!)って駄々こねたくなる。

正直今までのIDOLiSH7っぽくないかもしれない。彼らは私たちよりも先に進もうとしてるから。


前に進もうとするとき、変わらなきゃ進めないこともあることはわかってるけど。

素直に大喜びできる人もいれば、それを受け入れられない、変化についていけない人もいる。

人間はどんどん変わっていく。同じ人でも、いろんなものに影響を受けて、言動や趣味嗜好、ファッション、センス、社会の価値観、数年前と同じ思考でいるのって難しい。

変化してることに気づかないまま変わっていくものもいっぱいあるから、”世界は音もなく色を変えていく”ってまさにその通りだなって思った。

二次元アイドルは変わらずにいれる唯一のアイドルという概念かもしれないけど、アイドリッシュセブンのアイドルたちはいろんなことを乗り越えてどんどん成長していく。

アイドリッシュセブンがこんなに魅力的なのはやっぱりそこなんだろうなと思うと、「アイドルの創出」とかいうとんでもないことをコンセプトに掲げてるこのコンテンツ、やろうとしてることがやっぱすげえよってなる。

傷つくのも苦手だし変化を受け入れるのが苦手だから、2次元アイドル推してるところもあるのにとんでもないコンテンツに手を出してしまったぜ…といつも思う。

苦しいししんどいし2次元アイドルとは…?になるけど、アイドルを生かすことに全力で、アイドルの体温を感じられるこのコンテンツのことが大好きだ。

 

星空と祈りのマリアージュ
もっと頬寄せて誓って
忘れないと 信じていいと
瞳には違う色 光っても

そしてここの歌詞。

ここはファンからアイドルへの祈りでもあるし、アイドルからファンへの願いでもあるように思った。

ファンからアイドルに「忘れないで」「信じて」それは出会えてよかったなのかもしれないし、幸せだったなのかもしれないし、ここにいたよなのかもしれない。

 アイドルからファンへ「忘れないで」「信じて」それはありがとうかもしれないし、これからもよろしくなのかもしれない。

変化を"瞳に違う色 光っても"で表現するの日本語がうますぎる。何食べたらこんな歌詞が出てくるの?


なんにせよここの歌詞本当に言葉選びが巧みで大好き。サビで転調する構成も相まってほんとうに"あぁ〜"から"光っても"の下りがドラマチックで涙が出る。

何度でも声に出して読みたい。

これまでずっと比較的柔らかくて丸い言葉が使われていて、”みつめていたよ”とか”おもいだして”とか”さがしていたよ”とか開いた言葉遣いだったのに、”誓って”っていう強制力の高い言葉がここで来るものすごくいい。

オタクは推しという存在に人生全ベットしてるからね。


IDOLiSH7に変わらないでいて欲しい。ずっと7人で暮らしててほしいし、みんな仲良しでいてほしい。家族みたいにお互いの痛みを分け合ってくだらないことで笑っていて欲しい。

でも、つらかったこと、苦しかったこと、いろんな想いで乗り越えてきた先に光を見てほしい。

―そろそろさ未来じゃなくて、今日に夢中になって!

自分のことに目を向けて、誰かの為じゃなくて自分の人生を生きてみてもほしいんだよね。

変わらないでいるために変わろうとする彼らを見るのがこわいし、たのしみ。

私も日々いろんなものを見て知って経験して、変わっていくけれど、瞳に映る色が変わっても変わらず彼らのことを愛していきたいな。


とりとめがなくなってしまったので終わります。

ライブで披露される日を夢見て、今週の5部に備えます。

 

マロウブルーのMVを作ってほしいです!!!!!!!!!!!!